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ロサンゼルス市「ZERO Waste Plan」レポート② プリント メール
JETROロサンゼルス 佐藤友香(研究アシスタント)

-2030年までにごみをゼロに、ロサンゼルスのごみ事情-

LA市長Antonio Villaraigosa氏は、市内で回収されたすべてのごみをリサイクル化・堆肥化・代替エネルギー化することで埋立地最終処分を2030年までに廃止するという目標を掲げ、ロサンゼルス全域で行われるZeroWasteプランに野心的に取り組む方針だ。 LA市には380万人が生活をしている。2005年に行われたLA市公共事業局衛生部の調査によると1日8652トンのごみが回収されている。これは市民が1日1人あたり約2.2kgのごみを排出しているという計算になる。回収されたごみのうち62%が資源再利用のために転換され、残り38%が埋立地で最終処理されたとしている。これに対して、人口360万人が住み同じく大都市である横浜市は、都市ごみの排出量は2005年では1日平均2913トン、埋め立て処分されたのは約63トンで、最終処分量は全体の約2%。(1日に出されるごみの量は1人当たり800gだ。)両市の比較により現在のLA市ではごみの減量と最終処分ごみを資源化するという2点が重大である。

LA市では増え続けるごみに対して、埋立地の確保が厳しい事実もさることながら、埋立地から発生する二酸化炭素とメタンガスも地球温暖化の観点から問題視されている。こうした現状を踏まえ2005年に市議会でZeroWasteプランへの取り組みが承認され、2007年から具体的な内容が始動した。

プランの対象となる区域はごみ収集場のあるWest Valley, East Valley, North Central, Western, South Los Angeles, とHarborの全6区だ。プランのゴールは念頭に述べた通りごみの埋め立て処理量をゼロにすることだが、中間目標としても、

  1. 2010年までに衛星局が管理する全ごみ搬送車をクリーンエネルギー化する (ディーゼルエンジンから液化天然ガス車へ)
  2. 2010年までに代替技術施設を稼動する (ごみのガス化・エネルギー利用など)
  3. 2015年までに資源の再利用のための転換率を70%にする
  4. 2030年までに温暖化ガスの排出量を35%以上までに削減する

などが挙げられている。市は資源ごみ回収の奨励、代替エネルギーの開発、純度の高いリサイクル製品の開発などを通して目標を達成していく方針だ。その上で、欠くことのできないのが地域レベルの利害関係者(市民団体、環境保護団体、地方市議会、各種企業、個人運業者・リサイクル業者や、政府関係者)の協力であり、ここにZeroWasteプランの本質があるのではないだろうか。

今後20年間のLA市のごみゼロ化活動の要となるのがSWIRP(the Solid Waste Integrated Resources Plan)と言われる具体的なZeroWaste計画である。プログラムの作成は3段階に分かれて行われる予定だ。第1段階では各地域ごとに複数のワークショップが開かれ、住民の意見などを反映する。2007年はその第一年目であった。去年10月と今年2月には合同会議が開催され、多くの一般参加者と衛生部による意見交換会が行われた。(別の記事参照)提案された意見は第2段階で評価され、施設設計計画、環境影響報告また、財務計画なども策定する。第3段階ではプログラム実行に向けて必要な既存設備の改修や関連法の整備を進める。現在提案されているプログラムには以下のようなものがある。

③の資源化の促進のため、SWIRPが昨年から提案しているプログラムの中には主に資源ごみの更なる回収に重きをおいている。昨年7月からのプラスチックごみの対象拡大に加え、ごみ分別を奨励する地域教育にも熱心だ。市内では資源ごみ用(青)、庭ごみ用(緑)、その他都市ごみ用(黒)の3種類の容器が収集に利用されている。例えば地域の学校と市が共同で「ごみ大使プログラム」を奨励し、子供達による抜き打ち分別チェックなどを実施するなどアイデアも画期的だ。また、参加校が市と共同で行う「集団回収プログラム」などでは、賞金の授与によって資源ごみの回収に対する地域住民や学校のインセンティブを上げている。企業との連携にも意欲的で、315店のレストランが企業ごみ堆肥化プログラムに参加、1店あたり月々およそ4.5トンのごみが堆肥化されている。

②に挙げられるような資源の再利用のための代替技術に関しては、LA市の調査チームが現在検討中の開発計画は、2010年までに新たな代替技術を採用した中間施設の稼動を開始する予定で、1日で200トンから1,000トンのごみが処理される見込みだ。また、発生した焼却灰なども有用な資源として再利用されることになる。調査開始時点で49ほどあったポテンシャルのある技術を持つ企業も12までに絞らた。この中には日本企業も2社含まれている。

LA市の狙いは転換率70%の達成である。リサイクルとごみの減量化の強化により、2015年までには最終処分量を今より3.5%ほど削減できると見込んでいる。更には前に述べたような中間施設の稼動で、1日約980トンのごみを資源化、それ以降に建設されるであろう新たな転換施設もごみゼロに貢献する。埋立地の完全廃止を2020年までに果たすのは難しい現状だが、目標の2030年までには連帯した利害関係者の関心と努力でごみゼロのゴールに近づくだろう。
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