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ロサンゼルス市「ZERO Waste Plan」シティワイド会議レポート① |
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JETROロサンゼルス 佐藤友香(研究アシスタント)
ロサンゼルス市のDepartment of Public Works主催の環境対策会が2月2日ロサンゼルスのConvention Centerで開催された。これは昨年12月から行われている住民参加型会議の第二回目であり、参加者の意見などを織り交ぜながら今後の市全域のごみ対策を計画することを目的とした話し合いの場として設けられた。ロサンゼルス市環境局地方議会議員、公共事業省の代表らが集まり、住民の意見の反映に全力を注ぐことを約束した。
ロサンゼルスは一概に市といっても、総面積が1,290.6k㎡もあるアメリカ第二の大都市である。そのため、地域ごとの自然・社会環境なども異なり、全域共通の制度を持つ事は困難であろうが、Solid Waste Integrated Resources Plan(通称SWIRP)は各地域の生の声に耳を傾けるのに意欲的である。それに答えるかのように、West Valley, South Los Angeles, Harbor, East Valley, Western, North Central/ Hollywood全エリアから環境に関心の高い人々が集まった。子連れの家族、学生グループ、教育関係者、年配層の市民も土曜日の休日を返上して会場に足を運んでいた。
ロサンゼルス市の挨拶に始まった協議会は、SWIRPのプロジェクトの現状、成果、最新情報のアップデート、次いで市民による第一回目のグループ別意見交換会、正午を回るあたりには選出議員によるパネルディスカッションが開かれ、その後、第二回目の意見交換会では先ほど出された意見のコストやゴミ問題への影響力を踏まえた上での現実性や可能性などが議論され、今後の課題などを住民にも熟考させるという形で幕を閉じた。オープニング・スピーカーでは地方議会議員のGreig Smith氏、及びBill Rosendahl氏、Board of Public Works からはコミッショナーのCynthia Ruiz氏、Bureau of Sanitation DirectorのErique C. Zaldivar氏を迎え、市の抱えるゴミ問題の現状と今後の対策などについての意欲を表明した。
続いて行われたSWIRPプロジェクトのアップデート・セッションでは、Bureau of SanitationのConsultant Program Manager、Reina Pereira氏が前回行われたWorkshopを参考にしたプロジェクトの今後のフォーカスを簡単にまとめた。それには人々の環境意識向上を目的とした教育、リサイクル事業の発展、資源回収施設の完備改善や、変革のための政治的意思の向上などがあげられた。HDR Vice President のRuth Abbe氏は持続可能な都市開発のために重要なリサイクルループについての説明をした。資源の持続可能性をあげるためには、消費者サイド(Down Stream)のみならず、製造業や仕入れ業者側(Up Stream)の責任が問われることになる。現在転換率62%を誇るロサンゼルスでは、Down Streamサイドの貢献は比較的進展しているといえる。そこで、Ruth氏は今回の協議会では、Up Streamサイドで実現可能な対策案を政策決定者と住民が一体となって討論会を行なうことを提案した。
より効果的な情報交換を図るため、参加者はまず2部屋のグループに分かれた。参加者全員に配布されたネームタグには黄と青(二つあわせてグリーンの意)のシールが張られ、ホールが色別に二つの部屋に仕切られた。青グループは市が取り組むべき対策の優先順位の評価、黄グループはソフトウェアを用いて現在検討中の各対策案の影響力のシミュレーションを約一時間ほどディスカッションを交えて行った。合計20余のテーブルが用意され、各グループにはロサンゼルス市衛生局(Sanitation Bureau)からの進行役が1,2人付き、話し合いが行われた。
自身が参加したグループでは、
- 製造会社がリサイクル可能な商品を引き取るよう促すことを最重要視すべき
- グリーンビルディングやレストランに対しての認可証も消費者の環境意識を高める可能性もある
- 危険物の排出方法の点では、危険物を取り扱うごみ置き場の少なさと住民への正しい情報の欠如が問題視されるべき
- 代替エネルギー使用については、これから注目を集めるに違いないのだが、根本的に住民の意識や行動に好影響を与えるとは考えがたい
- ゴミ問題に対する教育を広めることがまず第一なのではないのか。例えば特に現在使用されているインストラクションは英語とスパニッシュの二ヶ国語のみであり、LAのような多民種地域にはより幅広い言語の使用が必要
という点が挙げられた。
午後に行われたパネルディスカッションでは、オープニング・スピーカーの
Smith氏、Rosendahl氏、Ruiz氏がロサンゼルス市のごみ問題を市全域、自治体、コミュニティー、住民の全員の“can do”姿勢で取り組む重要性を熱く語った。講演後の住民からの質問セッションでは、プラスチック袋廃止対策の再検討や危険物置き場の改善、Sustainable Impact Zone構築の提案などもされた。第二回目のグループディスカッションでは各グループともに前回とは違う役割を果たした。前回検討中の施策案の評価にあたった青グループは、今回では特殊なソフトウェアを用いて黄グループが行っていたモニタリングを経験した。このプログラムには、現在の製造業者の還元率キャパシティー、市運営の回収施設の許容量、代替エネルギーの使用率などの変数が組み込まれ、値を変えることでロサンゼルスの①最終処理されるゴミの排出量②温暖化ガスの排出量③コスト④努力レベルなどを仮想シュミレーションすることができる。この分析から、コストを抑え、ゴミ問題対策に影響を多く与え得る現実的な構想を練ることに参加者全員が躍起になった。こうしたグループ・ディスカッションなどの結果、参加者同士の情報交換も盛んに行われ、最後のラップアップセッションでは今まで以上に環境問題への貢献意識が高まったであろうと思われる。参加者の大多数が、自ら発信した意見がこれからのロサンゼルス市対策案に反映することを切実に願っているようだった。
制度面から3Rに対する意識も強く、分別回収も怠らない日本人から見ると、アメリカという大国は大量生産・大量消費社会というイメージが強いのではないだろうか。今回行なわれた会議では、ロサンゼルス市民の環境問題への関心や熱意の高さが感じられた。日本でも自治体を中心とした講演会、企業向けのセミナーなどは各地で開催されているであろうが、住民参加型にこだわったロサンゼルス市の取組みはとても印象的であり、参考となるのではないだろうか。ロサンゼルス市は今月中にも今回挙げられた意見を踏まえた改善案のシナリオを作成し、次回4月に行なわれる会議で「Zero Waste Plan」の全体の基本方針を発表する予定だ。
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