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レジ袋削減に向けた自治体の挑戦 -地域自主協定という全員参加型の自主的モデル事業の展開- |
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JETROロサンゼルス 佐藤友香(研究アシスタント)
近年アメリカでは自治体を中心としたレジ袋削減に向けた取り組みが注目を集めている。
カリフォルニア州ではサンフランシスコ市及びサンタモニカ市がレジ袋無料配布の一部禁止やそれに向けた取り組みを開始している。ここロサンゼルス市も市と住民が一丸となって環境教育を促進し、計画的に多種の環境問題に対応し得るプログラムを作成するなど環境先進都市を目指しており、レジ袋の削減に関する対策案も検討されている。
日本の自治体では袋の有料化や無料配布の廃止などの規制を全域では行っていないが、自治体と事業者が地域自主協定を締結することでレジ袋の使用を市内の一部店舗で廃止するというようなモデル事業を進展させている。そこで今回は日米で積極的に行なわれているレジ袋削減事業の現状をみていきたい。
カリフォルニア州においての取組
- 一部規制導入の始まり
サンフランシスコ市は対象となる一部の小売店である大手スーパーや大手ドラッグストアに、非分解性のレジ袋の無料配布を禁止する条例を昨年より施行した。販売店ではこれまでの袋の代わりに、リサイクル可能な紙袋・布袋と生分解が可能なプラスチック袋の使用が許可されている。
LA市に隣接するサンタモニカ市では全小売店で消費者が使い捨てレジ袋の無料配布の禁止条例を起草する方向にあり、レジ袋に料金を課すことで消費者のマイバック持参率を向上させる方針だ。比較的コンパクトで住民の取得も高めなこれら都市では、一部規制などの導入も進んで行なえるという特権があるようだ。
- LA市におけるレジ袋削減対策の現状
これまでにもLA市では小売店が一般的に行っているレジ袋の無料配布を規制する動きが見られたが、今年LA郡で行われた議会ではレジ袋規制に関する条例が否決された。米国では精算時にレジ袋の選択(紙製又はプラスチック製)が消費者に委ねられているため、食料品協会(California Grocers Association)は条例の適用で小売業者と消費者への負担が増すことを懸念している。LA市は07年に制定された州法(AB2449)により対象となる大型食料品店に、消費者へのリユース意識を高めるようなプログラムの導入を促している。具体的にはレジ袋回収箱の設置、使用枚数の定期報告の義務化やエコバックの奨励などである。法定外の取り組みとして、同市は環境保護団体であるHeal the Bayと協力、同団体主催のイベント「A Day Without a Bag」を公認し、消費者の自主性を尊重するような活動を奨励している。環境問題に関心のある住民も多いなか、LA市では更なる対策案を検討中だ。
日本における地域自主協定を活用したモデル事業の発展
一方日本ではレジ袋削減に向けて、事業者・自治体・消費者が全員参加で進める実験的なプログラムの施行がよくみられる。ここで取り上げたいのは①中央政府が定める「容器包装リサイクル法」に助力される地方の取り組み、②自治体と事業者間で締結される地域自主協定が推進するモデル事業、そして③事業者と環境省の間に結ばれる自主協定の3つである。
- 央政府が強化する地方の連携
先に述べたカリフォルニア州法のAB2449は事業者の自主規制を促すことを主な目的としてるが、日本の中央政府が制定する容器リサイクル法(以下容リ法)は事業者の役割に加え、自治体と消費者に対してもごみ削減に向けた協力を促し、後で説明する地方で展開する全員参加型モデル事業への目的意識を高める役割を果たしている。1995年に制定された同法は、それまで十分に行われていなかった容器包装リサイクルを奨励することでごみの排出量を削減しようとした法律で、消費者や自治体に対するごみ削減意識の向上、事業者に対する容器包装の減量化、エコバッグの推進などを促進することを主な目的としている。去年施行された改正容リ法は、「排出の抑制」に重点を置き、国は指定事業者(容器包装を年間50トン以上用いる小売業者)に容器包装の使用量や取組み状況の報告を義務化させ、事業面からの規制の更なる強化を進めている。
- 地域自主協定規制と様々なレジ袋削減事業に関わるモデル事業の発展
容リ法の助力を得て、自治体は事業者と地域自主協定を締結し、レジ袋削減を目指す実験的なモデル事業を推進している。この協定の趣旨は、実験店舗でレジ袋の一部規制(有料化など)に加え、自治体が事業者を広報活動などを通して支援することである。短期的なモデル事業の活用により自治体が各地の地域環境、既存する問題点、達成目標基準などに応じた様々なプログラムを作成できることが特徴的だ。環境省は各地でレジ袋削減に向けた地域自主協定の締結を推奨し、自主的に行なわれるレジ袋削減対策が各地で発展するよう働きかけている。
実験的に行なうモデル事業は自治体が今後レジ袋削減の課題や目標を設定する上で重要な評価基準となっている。東京都杉並区が進めるレジ袋規制に関するモデル事業は地域自主協定のメリットを最大限に活用している。同区は02年に法定外目的税を制定する一方、ごみ削減の本質である環境意識を向上させるレジ袋削減・マイバッグ持参運動のような代替的な方策による努力を進めてきた。高まりつつある積極姿勢を裏付ける為、同区は自主協定を締結した小売店で試験的な有料化を昨年3ヶ月間に渡って実施した。実験結果により有料化によるレジ袋の削減効果が明確であったことから、市民や事業者の責任意識の成熟を実感し、今年4月から年間20万枚以上のレジ袋を使用するスーパーやコンビニ(295店)を対象に配布枚数の報告の義務化、店舗や企業名の計画書や報告書の公表も市のホームページ開始するに至った。
他にも東京都町田市のモデル事業の場合、今年3月14日から市内の中堅スーパー「三和」でレジ袋の廃止に向けた実験的プログラムを半年間に渡り実施する。今まで殆んどの自治体は有料化によるレジ袋規制を考慮していたで、袋の廃止に向けた計画は町田市のモデル事業が初めてである。同スーパーではマイバックや紙袋の無料配布もする。調査・実験の検討後、町田市は他の事業者にも連携を呼びかけ、全市に取組みを広げたいとしている。杉並区や町田市に見られるような自主協定により、自治体は事業者と共に地域ごとに異なるレジ袋対策状況に合わせてモデル事業を実験施行する。政策立案者は利害関係者の反応を観察し、新たな対策に向けた参考とすることもできるのだ。
- 事業者主導の全国展開に向けた事業モデル
自治体との関係は薄いが最後に紹介したいのが、事業者と環境省間に締結される自主協定により援助される事業モデルだ。環境省と環境保護に向けた自主協定を結ぶことで、レジ袋規制のトップランナー事業者は自主規制のプログラムが国によって奨励される。また、事業者がシンポジウムなどを行う際に環境大臣の委嘱するオピニオンリーダーの「3Rマイスター」が参加し、助言するなどの協力もする。今までレジ袋有料化の一律規定への反対意見が多かった小売店にも新たな動きがみられ、イオンなど小売業者が自主協定を締結するなど、このような事業者が主体となるレジ袋削減への取り組みも各地で始まっている。
日本では地域自主協定により事業者を巻き込んでレジ袋規制を行なうモデル事業やエコバックの持参率を上げる啓蒙活動が進んでおり、こうした活動が地方の環境意識を高めている。自治体内で一律のレジ袋の無料配布を廃止せずとも、レジ袋を削減しようとする市民・自治体・事業者の積極姿勢がリユースやリデュースといった個々の生活態度に反映している印象を受ける。LA市は比較的コンパクトなサンフランシスコ市やサンタモニカ市が市全域で行なうレジ袋削減規制を簡易に実施できないが、代わりに各地の諸事情を踏まえたモデル事業の作成は実現可能ではないか。今後LA市がレジ袋の削減方法を検討していく上で、市内各地で行われる啓発活動の一環として日本の地域自主協定で推進されるようなモデル事業を導入できたら面白いのではないだろうか。
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