JETROロサンゼルス ステファン・ヴォス
オープニング企画:米国初の女性宇宙飛行士サリー・ライド女史講演
ここロサンゼルスにおいて、1月29日から一週間かけて「LA Tech Week」が開催された。これはロサンゼルス・カウンティ(郡)が主催となり、同地域の技術を核とした起業家や企業の発展を支援するものであり、テクノロジー・コミュニティーに大きく貢献した個人や団体を称える授賞式をもって始まった。
本イベントの製品部門では、GM社の電気自動車「EV1」や軍事用の無人戦闘機などの開発に携わっているAerovironment社が受賞した。このような企業の存在があるからこそ、ロサンゼルスは国ベースで見ると経済面で世界17位に位置しているとも言える。 授賞式に続き、オープニング・イベントとして、ロサンゼルス出身である世界初の女性宇宙飛行士サリー・ライド女史(以下Ride女史)をキーノート・スピーカーとして迎え、技術分野での教育等をテーマとして議論が行われた。
Ride女史は、ロサンゼルス・米国経済にとっての教育の重要性を語った。近年、米国では科学への関心が薄れ工学を学ぶ生徒も減少傾向にあり、技術大国として世界での存在感を失いかけている。Sputnik号の発射とともに火がついた科学への取り組みをもう一度再現するよう呼びかけた。
現代社会における科学に対するイメージは必ずしも「Cool(格好良い)」ではないと同女史は続けた。実際、小学校4年生を対象に行ったアンケート調査では「科学に興味を持っている」と回答した生徒は全体の3分の2を占める一方、5年生や6年生を対象にすると興味の薄れが目立つことがわかった。この理由としては、科学者や工学者のイメージが悪かったり、科学分野で活躍することを奨励する社会体制が欠けているという点が挙げられた。
工学を専門的に学ぶ生徒が減少傾向にあるという事実は企業にとっても懸念の種である。企業による対処法として、科学や数学教育を促進するプログラムの導入が行われているが、残念ながらほとんどのプログラムは既に興味が薄れてしまった大学又は高校向けとなっているのが現状であり、効果的ではないと予測される。そのような中、Ride女史はSally Ride Science社を設立し、中学生に科学の面白さを伝える取り組みを率先的に行っているという。
今後、ロサンゼルスはさらに環境技術でのイノベーションを起こし、子供の科学・テクノロジーに関する意欲を高めるための教育を促進させる予定である。Ride女史によると、子供達には科学分野への関心は十分に備わっており、大いなる独創性を秘めている。積極的な教育を通じ、子供達の能力を伸ばすことで同分野の発展が見込まれると参加者に語りかけた。
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